2. インターネットの特性

  • あなたはSNSソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略。ウェブ上で社会的なつながりを可能にするサービス。たとえば「Facebook」「Twitter」「TikTok」「Instagram」など。に「限定!」として、自分の写真を投稿し、これを10分後に削除しました。
    この行動に含まれる危険性として、どのようなことが考えられるでしょうか?

解説

この例では、このようなことが考えられます。

  • 写真が思ったより多くの人に見られること
  • 写真から、あなたの名前や住所など個人情報が特定されること
  • 閲覧者が写真をコピー(保存)すること
  • そのようにコピーされた写真が勝手に使用されること

例えば電話でのコミュニケーションは、通常、やりとりは2人だけの間で終わり、記録は残りません。しかし、インターネットを使ったコミュニケーションは異なります。

発信する情報に責任を持つことが、なぜ大切なのでしょうか。
インターネットで発信される情報には、特有の性質(特性)があるためです。
特性を理解することは、インターネットでの予想外のトラブルを防ぐことにもなります。

2-1 公開性

インターネットに公開した情報は、不特定多数のユーザが閲覧します。たとえ限定された場所での情報公開であっても考え方は同じです。
情報を発信するときは、予想した範囲外の人がこの情報を見る可能性を考え、内容が大丈夫かどうかを判断します。

2-2 記録性

インターネットでは、いちど発信した情報を完全に消し去ることは、ほとんどできません。
テキストも画像もデジタルデータであり、簡単にコピー(保存)することができます。
例えば、インターネットのサービス上にログコンピュータに、利用状況、データの履歴、やりとりされた情報などの記録を取ること。またそのようにして保管された記録のこと。として記録されたり、閲覧者のブラウザにキャッシュいちど利用したデータなどを、コンピュータに一時的に保存し、次回の処理を速くする技術。または、そのようにして保存されたデータのこと。ウェブブタウザの場合は、次回、同じページを開いたとき、便利に素早く閲覧するためなどに使用します。として残ることがあります。また、誰かがその情報をコピーすることがあるかもしれません。

2-3 信憑性その情報などの、信頼していいかどうかの度合いのこと。「信憑性が高い」「信憑性が低い」などと言います。

インターネットで見つけた情報は正しいと、すぐ思いこまないようにします。
インターネットの利点は専門家だけではなく、さまざまな立場の者がすぐに情報や知識を発信できることです。一方で、同じ理由から、間違っていたり深度が足りない情報、公平な立場ではない情報、時には悪意のある情報に遭うこともあります。
そして、その情報が信頼できるかを、簡単に判断できないことがほとんどです。
・詳しくは第1章「3. 情報の信憑性」にて解説します。

2-4 公共性

インターネットは世界中の人々に開放された公共の資源です。さまざまな人々が利用しており、求められるマナーやルールは実社会と同じです。
ネットワークの先に存在するのは、自分の友人や知人だけではありません。

2-5 流出性

インターネットでは、情報が予想外に第三者(他人)へ漏れることがあります。
原因は、情報の公開範囲の設定ミスや、第三者がわざと流出させるなどさまざまです。
中でも、個人情報の公開や提供は慎重に行いましょう。プロフィールなどに、住所や名前など重要な情報を掲載することは危険です。


また、パソコンやスマートフォンがサイバー攻撃サイバーテロともいいます。パソコンやスマートフォンなどのコンピュータシステムに対し、悪意のある攻撃者が、ネットワークを通してデータの破壊や盗み取り、改ざんなどを行うことですを受け、保管されていた情報がインターネットに流出することもあります。
・詳しくは第4章「情報セキュリティの知識」にて解説します。